心の裏側、人の多面性、自分もまたしかり
小学校からの友人がいる。
小学校の二年生で私が校区外に引っ越して転校したので、小学生時代はあまり交流はなかったが、田舎育ちなので同級生はみんな仲良しだった。
中学校で同じクラスになって急激に仲良くなり、高校からはまた離れたが今でもずっと付き合いがある。
お互い紆余曲折して私は主婦に、友人は独身で医療関係の仕事をしている。
このコロナ禍ではあるけど、様子を見ながら何度か会って、密でないところでひたすら話が止まらない楽しい時間を過ごした。
当初、友人は医療関係ということもあり、かなりナーバスにになっていて、転職も考えていると言っていた。
私は話を聞いて自分なりの思いを告げはする。とはいえ決めるのは友人自身であるし、助言めいたことを言ったとしても、この友人は割に頑固であり、自分を貫くタイプである。
コロナ禍の何度目かの会話で、はて？
と、感じた私は、そこからは自分の意見がはっきりと言えなくて、ふーん。へー。そうなんやー。
などと繰り返すしかなかった。
友人がこの今の状況や行く末について話す内容は、所謂 陰謀説 なのである。
この世界は２分化に進んでおり、コロナウイルスは金持ちグループの陰謀であり、貧乏人を消していって来たる食糧難に備えるための計画である。
もちろん上のグループはワクチンを持ち自らの安全は確保しているetc…
私は静かに戦慄した。
しかしそれを悟られないようにあくまでも平静を装い、それとなく別の話題に誘導した。
日頃から旦那以外と話すことのほとんど無い私は、普段の友人の仕事や、家族の話を聞くのが好きなので、そちらに話を戻すとまた楽しい時間が過ぎた。
しかし、そこはやはり今の生活の中ではコロナの話しに戻るのは仕方がない。
またも、陰謀説にヒートアップする友人。
私は海外ドラマボーンズが好きで観ていたのだが、その中で、虫博士の男性がいつも陰謀説だ！って楽しげに言ってたよなあ。などと考えながら聞いていた。
それ以降時々変な感じになる友人と、今でも仲良くメールなどしている。
今はまた状況が逼迫しているので会えないが、また面と向かって長時間会話を楽しみたいと思っている。
私はこれからも、その件についての友人の意見が異常だ。
と、強く感じている事は出来るだけ表に出さないことにする。
人って色んな面がある。
もちろん自分だって、他人から見ればそうなのだろうから。
30年以上付き合っていてはじめて見る面もまた、興味深いのである。
